ガラスの窯を修繕しました!(2017年)
今日は少しマニアックなお話しです。
きららガラス未来館でガラスを熔かしている窯(熔解炉)は、一年中稼働しています!
一度火を入れたら、休むことなくガラスを熔かし続けます。
稼働中の窯の温度は約1,200℃~1,000℃と高温です!
ずっと稼働していると窯も傷んでくるので、
毎年1月は熔解炉や加工機のメンテナンスを行っています♪
12月末に窯の火を停めて、徐々に温度を下げていき、
窯に触れるようになるまで約1週間ほどかかります。
年が明けてメンテナンス開始です!
まずは、溶解炉の前面部を動かして、ガラスが熔けていた坩堝(るつぼ)を取り出せるよう準備します!
メンテナンスの時期にしか見る事のできない窯の姿です。
次に、1年間お世話になった炉材達を剥がしていきます。
メンテナンス中は粉塵が舞うので、マスクは欠かせません!
坩堝を取り出した後は、窯の底面部にある炉材も剥がしていきます。
窯本体を傷つけないように、西川慎先生が見極めながら剥がしていきます。
かまくらの様になっている窯の内部を修繕中・・・。
スタッフが練っている耐火素材を、細かいヒビや穴に埋めていきます。
ここでお気づきかと思いますが、坩堝は丸ごと交換しなければいけないのですが
窯本体は、修繕をしながら使い続けています。
未来館が開館してから12年間、修繕を重ねながらまだまだ現役の窯なのです!
新しい坩堝を入れたら、坩堝を覆うレンガや炉材を新調して
1年間稼働できるように仕上げていきます☆
離していた窯の前面部を元に戻して、ネジで固定します。
ガラスの巻き取り口にも、新しい炉材を付けて仕上げていきます。
左官職人のようにコテを使いこなす、西川先生!!
仕上がりが美しいと、強度も増すので大切な工程です。
熔解炉の修繕は一旦終了です。
さて、メンテナンスは溶解炉だけではありません。
同時進行で他の機材も修繕していきます!
ボロボロになったグローリーホールの扉・・・
サビが浮き出た加工機のペンキ塗り・・・
そして今回大がかりだったのは、徐冷炉のドアの修繕でした。
ドアが傾いて開閉しにくかったものを直していただきました!
溶接→削り→溶接・・・
熔解炉の火が停まっているのでいつもは暖かいホットショップも
この時は屋外と変わらぬ室温!!
調整を重ね、スムーズに開閉するようになりました☆
西川先生、寒い中お疲れ様でした!!
約一ヶ月かけてホットショップ、加工室の様々な機材のメンテナンスを行ってきましたが、
今週末(1月28日)から吹きガラス上級講座が始まりますので、
いよいよガラスを熔かす準備に入ります。
写真左、 熔解炉から光が漏れていますね。
1月19日に火入れを行い、現在の窯の温度は1400℃!!
新しく入れた坩堝は、素焼きの状態なので窯の中で焼締めをします。
その後ガラスの原材料を坩堝に入れて修繕が終了します☆
1年に一回のメンテナンスですが、窯の状態を知り、年ごとに合わせた
修繕を行っていくので、とても勉強になります。
また修繕に参加することで、
12年間保っている窯を大切に受け継いでいこうと気持ちになります。
また1年間、新たな気持ちで体験や講座を行っていこうと思います♪
皆様宜しくお願い致します!
(M)